キャスティングボート

二つの大勢力の力が均衡している時に、第三の小勢力が事実上の決定権を得るようなときに、「キャスティングボートを握る」などという。

会議で多数決を取るときに、議長さんはとりあえず投票せずに、黒板とか白板に賛成反対の正の字を書いていく。票が同数でない場合はそのまま決定するが、万が一、賛否が同数だった場合には、最後に議長の票を入れる事によって決定がなされるのである。その、黒板や白板を議長が支配することが、この言葉のもとになっている。

一般的な船では常に、甲板派、機関派という、二大派閥がそれはすさまじい攻防を繰り広げるわけだが、その勢力はたいてい均衡している。均衡しているからこそ、船長が掌握する事務派と無線派という小勢力が事実上の決定権を得ることになるのである。このような状況が、この言葉のもとになっている。

世の中、いろいろと難しいものだ。