アウラ(003)

アウラという表現だが、いわゆるオーラのことである。アウラを感じさせる人というのは時々出会うもので、そういう人は黙っていても存在感があるものである。電波を感じさせる人というのも時々出会ってしまうが、そういうのは気づかなかったふりをしておく方が無難である。

列ができていた。長い列だったが、ならぶ必要があったので最後尾にならんだ。

盲点というのを知っているだろうか。人間の目には実は見えていない場所があって、それを盲点という。実際に盲点を体感するような実験も、ネット上で調べてみれば簡単にいくつか見つかるだろうから、是非やってもらいたい。初めての時には驚くことだろう。緑内障になったりすると、この盲点の部分が少しずつ大きくなっていくような症状が出るらしい。そんな盲点も両目で見ていると情報が補正されるので、普段は盲点を感じないのである。

さて、列の前の方から、おばちゃんが3人喋りながらやってきたのである。どうやら列に並ぶらしい。でも、なんか変。彼女らには私が見えないようです。私はあまりに普遍的で、見えていても気づかないんでしょうか。それとも、盲点に入っちゃってましたかね。もっとアウラがあれば気づいてもらえるのかなぁ、と思いながら、おばちゃんの後ろで黙って列にならび続けるのであった。