自己(052)

自己紹介のかわりに、「タコ紹介」というのをやることがある。ここで言う「タコ」には「他己」という字が当てられるのだろうが、一応そんな言葉は無いことになっているらしいですよ。

自己という言葉を英語に訳すとおそらく、"myself"になると考えられる。「自」が"my"で、「己」が"self"である。「自己」の逆として「他たる己」について考えみると、「他たる己」は英語では"yourself"であり、"himself"であり、"themselves"となる。

矢印で考えると、「自己」の場合は矢印が自分から出発して自分に戻ってくる。「他たる己」の場合は矢印がある他人から出発してその人自身に戻っていく。どうやら、「己」というものはそういう性質のものらしい。そう理解すると、「おのれ」というのが相手をさす代名詞になることもわかる気がする。

で、「タコ紹介」に話を戻すが、ここでも同じようにしなくてはならない。「タコ紹介」では、「私からみたあの人の紹介」をするのではないのである。「あの人からみたあの人自身の紹介」をするのである。

『彼は、自分が理性的で哲学的な人間であると思っています。そして、周りからもそう見られるように振る舞うことに成功していると思いこんでいます。』

うわー、そんなことできんて。やるな「タコ紹介」。凶悪だ。